『TIME TELLS NO LIES

 

オススメ度:88

 

イギリスの『Playing Mantis』が1981年に発表した1st。

中心メンバーであるTino Troy(G/Vo)、Chris Troy(B/Vo)のTroy兄弟と

Steve Carroll(G/Vo)、Dave Potts(Dr)による4人編成。

 

美しいコーラス、HRの叙情を美しく描き出すツインリードGの

軽快なリフワークに”NWOBHM”の情熱がそのまま封じられた

言うなれば「時代の記録」とも言うべき音である。

 

楽曲にはパンクやブギの影響も僅かだが感じられるし、

例えば3曲目「Running for Tomorrow」のイントロなど

同じくパンクの影響を受けた『IRON MAIDEN』を思わせる箇所もある。

時代の空気を存分に吸い込んだ情熱的なブリティッシュHRである。

 

サビのコーラスワークとGソロ、終盤の展開がストレートな

哀愁に誘う「Lovers to the Grave」、アルバムの棹尾を飾る

Chris Troyの熱唱「Children of the Earth」、

どの曲を取っても煌くように繊細な情感を紡ぎだす

彼らならではの魅力が堪能できる。

ワイルドになろうとして成り切れず、そう言った部分よりも

ギターリフのハーモニーが目立ってしまう「Panic in the Street」等が

逆説的に全体の統一感を与えている辺りも面白い。

 

バンドは本作を発表した後、マネージメントの問題等から長期の

活動停止を余儀なくされ、同じ時期に登場した『IRON MAIDEN』が

スターダムに駆け登るのを見送りながらいつしかシーンから消え去った。

 

解散状態だった彼らがNWOBHM10周年記念公演を期に再結成され、

幻の名盤と言われていた本作が陽の目を見たのは1995年の事である。

『IRON MAIDEN』にも比肩されるツインギターの美しいリフワークが

当時のままに甦るには、14年と言う長い歳月が必要だったのだ。