FREEWILL

 

Masahiro"vmo"Lee(G)、Shingo "sin" Uchida(Dr)、

Hisashi "Sisyoh" Nakao(B)、Kozo "george" Tsuji(Key)による

京都のプログレバンド『FREEWILL』

 

当初は産業ロックバンドを目指してスタートしたらしいが、

メンバーの変遷を経てインストを追及するプログレバンドとして

LIVEの他にデモCDを発行するなど活発な活動を続けている。

 

現在「Song/MP3/Review」のコーナーでは4曲が試聴可能。

いずれもプログレ及びフュージョン、民俗音楽からジャズまで

幅広いベースが伺える演奏的にも完成度の高い楽曲であるが、

彼らの音楽を聴いていて何より驚かされるのは

率直で大胆な聴き手の精神への挑発ぶりである。

 

表現欲のままに音の奔流を絡ませながらも、漫然とした聴き流しを

断固として拒否するメリハリのある展開で

実力の一端を垣間見せるスリリングでセクシーなナンバー

「Zenith of Karma(因果の頂)」を筆頭に、

 

中央アジアを想起させるオリエンタルなパートから

一転して激しいアグレッションとスリル、欧州的にモダンな開放感を

加えて大胆に展開しつつ、ラストでそれらを奔放に統合する

「Conversation-Creation(転換-創造)」は

ユーラシアの歴史の中で、時に汚しあう様に、時に染み入る様に

巨大なスケールで繰り返された長い東西の交流と

それによる新しい文化の創造という捩れた階段の情景を想起させ、

 

さらに「Pagoda(仏塔)」と題された曲は

間断ない混沌の渦の中に煩悩の弦音と快楽の鍵盤が絡み合い、

僅かに訪れる清浄な安息が、繰り返される巨大なうねりによって

無残に打ち消される様に宗教的な無常感すら感じさせる。

 

7分間の「Inner Space(体内宇宙)」は

暗闇の中で深い断層を滑り落ちて行くかのような

人間が抱える根源的な不安感の描写に始まり、

苦難を経て不安を克服し、網膜に儚く映る虚偽の輝きを拒否する

強靭な境地に至るまでを描く精神的冒険行そのものである。

 

まだ4曲入りのミニアルバムしか発表していないグループだが、

将来に高い期待を抱かせるに足るだけの

素晴らしいクオリティを実現していると言えよう。