LANDBERK

 

メランコリア』

 

門を開くと、そこは早朝の湖畔。

 

一人の娘が、ふらふらと水辺を歩いています。

素足のまま髪を振り乱し、

薄い夜着は泥に汚れて見る影も無く。

 

疲れ果てた顔つきに目だけが妖しい生気を放ち

目を覚ました鳥達の声も耳に入らぬ風情。

木々が途切れ、ひときわ開けた場所で

立ち止まりながらがくんと後ろに首を倒し、

そのまま体ごと水草の浮かぶ水辺。

 

まとまらぬ視界には、夜明けの残月。

 

彼女はよろけながら立ち上がり、

倒れそうになりながら、今度は澄んだ湖の中央に向かって

ゆっくりと進みます。

 

真夜中、月に呼ばれた彼女は抗えぬまま歩き続け。

今はただ衝動のまま、

天なる月と内なる憂鬱に身を任せているのです。

 

呼んだのは月、応えたのは彼女のメランコリア。

 

やがて残月は透明な空の奥へ消え

湖は澄んだ光を受け止めて

いつもどおりの静かな湖面に戻りました。