『薔薇の聖堂』

 

オススメ度:86

 

Gackt脱退、そしてそれに続くKami急死の衝撃を乗り越え、

長いブランクののち新Vo.Klahaを迎えて完成した4th。

 

GacktがMALICEに残した物は功罪ともに大きいが、

それらのうちでもっとも看過できないのは例えば前作収録の

「au revoir」に代表されるポップさ、

つまり聞きやすさではなかったろうか。

無論先述したとおりこれには功罪両面がある。

 

そういった要素がGackt脱退によって薄れた本作は必然的に

manaの主導であろうクラシック色の強い物になっている。

KlahaのVoはGacktに比べていささか表現力に劣るが、

独特のカラーを持つMALICEの楽曲を上手く料理して

及第点に達していると言えるだろう。

 

元々MALICE MIZERの持っていたゴシック世界への傾倒、

接近はいよいよ顕著になり、軽やかな闊達さよりも

重厚に構築性を増して聴き手に対して一定以上の覚悟と

没頭を強いる作品となっている。

 

新しい悪意と悲劇の世界へ。

本作は、長い沈黙の時期を辛抱強く待ち続けた

MALICE MIZERの世界を愛する人々に対する、

挑発的表現に満ちた壮麗な招待状である。