『MIND』

 

オススメ度:75

 

1997年に発表された3rd。

2ndで披露した”押し”と”ダークな雰囲気”だけではない

音楽性の幅広さを垣間見せ始めたが、

他方で曲順、楽曲構成等には大きな課題を残した作品。

 

インスト「月蝕」から少々長尺気味の「飼い猫」を経由して

シングルの別Ver.「不眠症‐insomnia-」で一気に

開放感を感じさせるが、再び長尺気味の「うわのそら」へ…と

序盤からどこか抑圧された構成。

「皮膚の下で逢いましょう」の切迫したトーンから

「さなぎ」で見せる重いギターフレーズと

エフェクトのかかったVoによる浮遊感、

そしてキャッチーなサビの「アネモネ」で再び開放…と、

豊かになった曲調のバリエーションよりも

長尺気味の楽曲構成と落ち着かない配置の方が気になる。

 

逆にその構成ゆえに、収録されている3曲のシングル

「不眠症‐insomnia-」「白い闇」「月の素顔」の良さが

際立っている…とも言えるのだが、

アルバムを印象付ける冒頭に

「飼い猫」のような難しい曲を持って来たのは

やはり冒険しすぎではなかったろうか。

 

個々の楽曲にはそれぞれ魅力的なフレーズもあるし、

音作りも明らかに進歩している。

「食物連鎖」「アネモネ」等、聴き込んで好きになった楽曲も

収録されているのだが、それを踏まえた上で

通しで聴いても何か完全には没頭できない物が残る。

序盤の重たい展開が全て悪い訳ではないけれど

この構成には再考の余地がある、と強く思う。

 

そういった理由から、ついつい”ベスト構成”を探して

いろいろと曲順をいじって見たくなる作品でもあるし、

個々の曲には聴き所があるだけに

長尺感や全体の抑えたトーンから来る”重さ”に慣れてしまえば

非常に味の出てくる作品とも言えるが。